慶長大判は種類で買取相場が変わります
慶長大判とは、慶長6年(1601年)から作られていた大判です。
慶長大判には希少価値が高いものが多く、大判としての買取相場も非常に高いものですが、滅多に市場に出てこないプレミア古銭のため、利用する買取業者によって買取価格が大きく変わることも特徴です。
まず、慶長大判の買取相場や詳細を紹介する前に、慶長大判は次の3種類に大分されることを是非知っておいてください。
- 慶長大判金
- 慶長笹書大判金
- 慶長大判金(明暦判)
この3種類の慶長大判は、分類としては同じ慶長大判ではありますが、作られた理由や特徴、発行時期などが少しずつ異なっており、慶長大判としての買取相場・価値は数百万単位で異なります!
では、3種それぞれの慶長大判の特徴や買取価格、慶長大判自体についての買取情報などをご紹介していきます。
慶長大判の買取情報や詳細について

まず、「慶長大判」はどのような大判なのかをご紹介いたします。
関が原の合戦によって豊臣家は滅ぼされ、徳川家による江戸幕府が開かれたのが慶長8年のことです。
この徳川家が天下統一していた時代に発行された古銭類は、まとめて「慶長金銀」と呼ばれており、今回紹介する慶長大判も慶長金銀の1種に数えられます
慶長大判の前に豊臣家によって鋳造された天正大判が貨幣としての流通を目的としての発行ではなく主に褒美や贈答用として鋳造されていた事から、その流れを汲んで慶長大判も贈答用として鋳造されました。
ただし、貨幣として一切使えないわけでなく、この時代以降から多額の支払いに大判が使用されることもあったようです。
慶長大判とは、その名の通り「慶長時代に鋳造された大判」を指します。墨書や品位、発行時期、裏面の刻印などで数種類に分けられますが、共通して表面には上下左右に丸枠桐紋が刻印され、裏面中央には丸枠桐紋、亀甲桐紋、花押が刻印されています。
江戸幕府の大判・小判など、金(きん)で出来た貨幣は後藤家が代々その任を負っていましたが、慶長大判金には後藤家の5代目徳乗、その実弟長乗、7代顕乗、9代目程乗が携わっています。
現存する慶長大判金のうち、墨書が古い状態でキレイに残っているものほど、買取においても価値が高いのですが、この墨書が消えてしまった場合は、大判座(大判を鋳造しているところ)へ持っていけば書き直してもらうことが出来ました。
慶長大判は細かく分類すると更に分ける事ができますが、当サイトでは、「慶長笹書大判金」「慶長大判金」「慶長大判金(明暦判)」の3つに分類してご紹介致します。
それでは、各種慶長大判の買取相場等について、順に紹介していきます。
「慶長大判金」の買取価格と価値

慶長大判金は厳密には更に細かく分類できると言いましたが、当サイトでは慶長笹書大判金・慶長大判金(明暦判)以外の種類に関しては、「慶長大判金」の買取相場として一括りでご紹介します。
古銭買取における慶長大判の買取相場は、大体400万円以上からが買取価格の基準になります。
状態良く残っている慶長大判だと、買取価格が1000万円を超える可能性もあります。
古銭の買取においては、状態の良し悪しで買取価格に何倍もの差が出てきますので、新たなダメージを加えてしまわないよう丁寧に取り扱う必要があります。
慶長大判の形状はやや角ばった楕円で量目は164.5gです、金品位は慶長大判の種類によって多少変わりますが、大体が金672/銀294/雑34ほどでした。
慶長小判は貨幣として用いられるため金と銀のみを使用していますが、慶長大判は贈答品として用いられるため、見栄えの為に銅が加えられており美しい金色を呈しています。
そして、慶長大判金の総週増量は16565枚鋳造されたという記録もありますが、実際のところ全部で何枚鋳造されたかは判明していません。
先ほども言った通り、慶長大判は次のように裏面に刻印されている文字、量目や金品位によりさらに分類されます。
- 拾両判(じゅうりょうばん)…164.9グラム
- 二条判(にじょうばん)…164.9グラム、金品位736
- 一ツ極印(ひとつごくいん)…164.9グラム、金品位710、裏面に「田」、「ま」、「金」、「さ」、「孫」の極印のいずれか
- サマ判(さまばん)…164.9グラム、金品位710、裏面に「サ・マ」と二文字の極印
- 次判(なみばん)…164.9グラム、金品位710、裏面に「ゑ・九」、「さ・新」、「長・新」の極印のいずれか
「慶長笹書大判」の買取相場と価値・概要

慶長大判の中でも「後藤」の花押の墨書が美しく笹の葉のように見える種類が「笹書大判」と呼ばれます。
この墨書は後藤家5代目徳乗の弟「長乗」の書で、慶長大判の中では最も価値が高い種類なので、古銭買取においても非常に高い買取価格が期待できます。
大判買取での慶長笹書大判の買取相場は、大体800万円前後から期待できます。
墨書が綺麗に残っており、摩耗も少なく状態の良い慶長笹書大判ならば、2000万円以上の買取価格も見込めますので、数ある古銭の中でも屈指のプレミア古銭だといえるでしょう。
もし、買取に出される予定の慶長大判があり、「慶長笹書大判と、通常の慶長大判の違いが分からない」とお悩みの方は、古銭買取業者へ写真付きでメール問い合わせが最も手っ取り早い方法です。
大判ほどのプレミア古銭になると、実物を目にする機会もそうそうなく、ましてや双方の違いを見比べるとなると、かなりややこしくなってくるからです。
大判は、その種類によっても買取価格が何百万円単位で変わってくる希少なプレミア古銭ですので、価値の見極めの際は、プロの判断を仰ぐのが得策です。
慶長大判金(明暦判)の買取価格と価値・概要

慶長大判の中でも「明暦判」と呼ばれる種類は、少し特殊な成り立ちを持ち、通常の慶長大判とは買取相場も異なります。
江戸初期の明暦3年に「明暦の大火」と呼ばれる大火事があり、これにより江戸の町は半分ほど消失し幕府の金蔵も被害を受けました。
その際に溶けた金を鋳造しなおす必要が生じ、作られた慶長大判がこの「明暦大判」です。
明暦大判は一般的な慶長大判と比べるとやや丸みを帯びており、鏨目(たがめ)が粗い・右肩上がりに打たれているものが多いなど、仕上がりが荒い傾向にあります。
慶長大判の明暦判も鋳造量は未だ不明ではありますが、現存数はそれなりに確認されている事から買取相場は慶長大判金よりもやや劣ります。
ですが、買取価格が決して安いというわけではなく、慶長大判の明暦判の買取相場は、大体200万円前後の買取価格が期待でき、状態が良いものならば1000万円以上の買取価格も期待できます。
慶長大判自体が数ある古銭の中ではかなりの希少品ですので、もしご自宅から慶長大判金の明暦判らしき品が出てきた場合は一度古銭買取業者へ問い合わせてみることをお勧めします。
実は慶長大判明暦判も次のように裏面に刻印されている文字、量目や金品位によりさらに細かく分類されます。
- 明暦判(めいれきばん)もしくは江戸判(えどばん)…金品位674、裏面に「久・七・新」または「九・七・竹」の極印。現存数が最も多い。
- 三ツ極印(みつごくいん)…金品位710、裏面に「弥・七・九」、「次・七・九」、「坂・七・九」、「弥・七・新」のいずれかの極印
- 四ツ極印(よつごくいん)…金品位710、裏面に「次・七・源・九」、「坂・七・源・九」、「弥・七・源・九」のいずれかの極印
明暦大判の初期は江戸で鋳造され、それらは「明暦判」もしくは「江戸判」と呼ばれています。その後、京都においても鋳造されるようになり、「三ツ極印」「四ツ極印」は京都の大判座で鋳造されたものとなっています。
慶長笹書大判金の価値と買取相場

慶長大判金の買取相場リスト
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大判の種類上品中品下品
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慶長大判金上品1300万円~2000万円中品800万円~1300万円下品400万円~800万円
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慶長笹書大判金上品2200万円~3000万円中品1200万円~2200万円下品800万円~1200万円
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慶長大判金(明暦判)上品1000万円~1800万円中品600万円~1000万円下品200万円~600万円
動画にまとめていただきました!
慶長大判の買取相場や概要について当サイトも参考にし、動画を作成いただきましたのでここでも紹介させていただきます。
大判ページの一覧
当サイトで解説している大判の一覧は次の通りです。(※小判リンクをクリックするとページ移動します)
発行年度順:大判一覧リスト
古銭の買取価値を簡単かつ正確に知る方法

このページで説明したのは、あくまでも「古銭の目安の価値と買い取り相場」ですので、先に古銭の買取価格を正確に知る方法をご紹介します。
それは、古銭買取業者にメール査定を依頼する事です。
古銭は写真があればほぼ確実な査定が可能ですので、買取業者の問い合わせフォームから写真を添付して送ることで、簡単に買取価値が明らかになります。
そして、古銭は種類だけではなく、その状態によっても買取価値が大きく変動します。
実物を見てもらえるメール査定は状態も考慮した古銭の正確な価値を知る為に、この上ない程の最善の方法です!
特に、価値の高い古銭をお持ちであれば、こちらのメール査定にて正確な査定をしてもらう事をおすすめします。そして、メール査定であれば買取は簡単に断れますのでご安心ください。
古銭をメール査定してもらう方法やおすすめの古銭買取業者は、こちらを参考にしてください