天正大判は種類で買取相場が変わります
天正大判とは天正元年より豊臣秀吉が作らせた日本で作られた最初の大判とされており、大判としての買取価格は大判の中でもトップクラスを誇ります。
ですが、天正大判の買取相場や詳細を紹介する前に、天正大判の種類は次の3種類に大分されることを知っておきましょう。
- 天正菱大判金
- 天正長大判
- 大仏大判金
この3種類の天正大判は、同じ天正大判ではありますが作られた時期や形状は少しずつ異なりますが、見分けるポイントはきちんと存在します。
そして、特に注意が必要なのは買取相場は数百万単位で異なります!
では、3種それぞれの天正大判の特徴や買取相場、天正大判自体についてご紹介していきます。
天正大判の買取情報や詳細について

まず、「天正大判」はどのような大判なのかをご紹介します。
天正大判を作らせた豊臣秀吉といえば金(きん)が好きな武将として有名です。
歴史番組が好きな方であればテレビドラマ等で総金箔張りの茶室を目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな秀吉は金を派手に家来たちに金を与える事で威光を示し人心を掌握していったと言われており、その際に用いられた金銀の1つが「天正大判」なのです。
天正大判は市場で流通させる通貨として鋳造したのではなく、あくまでも武勲を挙げた物に対する恩賞として鋳造されていました。
この時に恩賞用として鋳造され始めた名残からか、豊臣秀吉が没年後発行されることになる大判に関しても流通目的ではなく主に恩賞用として鋳造されることになります。
そして、これらは大判の買取価格に共通して影響することですが、「墨書きの状態」によって天正大判の買取価格は大きく変動します。
「墨書」とは大判鋳造時に必ず表面に書かれるサインの事ですが、鋳造当初の墨書が綺麗に残っていればいるほど天正大判の買取価格も高額になります。
墨書が時代と共に当然に薄くなっていきますので、後ほど墨書を書き改められた大判もあり、そういった天正大判は買取価格が下がってしまいます。
更に細かく言うと、その墨書の書き直しも、当時大判の墨書を担っていた「後藤家」が書き直したものか第三者が勝手に書き加えたのかでも買取価格は大きく異なります。
ただし、大判の墨書きの状態の判断は素人には当然に厳しいので、大判の買取価格を正確に判断することも兼ねて古銭買取業者へ写真を添付して質問する事をおすすめします。
それでは、各種大判の買取相場等について紹介していきます
「天正菱大判金」の買取価格と価値

「天正菱大判金」とは天下統一を目前にした秀吉が作らせた大判で、約4万枚が作られたといわれていますが現在は世界で6枚しか発見されていないので、天正菱大判金の買取価値は極めて高額です。
東京国立博物館・造幣博物館などで展示されている大変貴重な大判で、 チューリヒのオークションにかけられた際にはなんと1億4300万円で落札されました。
買取事例がほとんどない事から天正菱大判金の買取価格は未知数であり、時価で買取価格が大きく動くプレミア大判の1枚ではありますが、天正菱大判金の買取価格は状態があまり良くないものでも4000万円以上の買取価格から十分に期待できるでしょう。
もしも綺麗な状態の天正菱大判金ならば買取価格は天井知らずで、億を超える買取価格も見込めるようになるほどです。
現存数の少ない希少な種類の天正大判金のため全ての大判の中でも最も買取価値が高い大判ですし、日本の古銭の歴史の中でも最も高額な大判と言えるでしょう。
天正菱大判金の表面には「拾両」と墨書され、下には後藤の花押が書かれています。
右上には「天正十六年」など年代の表記、上下に菱型枠に桐の紋章が刻印されていますが、この菱型枠が「天正菱大判」の呼び名の由来になっています。
「天正長大判」の買取価格と価値・概要

「天正長大判」は、こちらも豊臣秀吉が作らせた大判です。
上記の天正菱大判にくらべて多少上下に長細い形をしているため、「天正長大判」と呼ばれるようになりました。
「天正長大判」の鋳造時期に関しては諸説ありまして、1589年(天正17年)の聚楽第にて「太閤の金賦り(かねくばり)」という、豊臣家の威光を示すための、公家・大名に金銀を与える催しが行なわれました。
天正長大判はその際に配られたものだという説があるのですが、そもそも天正長大判が初めて作られたのは1595年であるという説もあるため、矛盾が生じ、どちらが正しい説かまでは現在も判明していません。
天正長大判金の買取相場は、こちらも非常に高く、一枚あたり1000万円以上の買取価格が期待できます。状態が良いものだと3000万円以上の買取価格も十分期待できるようになってきます。
天正長大判は、表面の「拾両 後藤」の墨書は天正菱大判と同じですが、年号表記はありません。刻印も菱型枠のものではなく、上下左右1箇所ずつに丸枠の桐紋が用いられています。威光を示すために配られるのにふさわしく、女性の手の平ほどもある大判で、縦が17センチもあり世界最大級の金貨でもあります。
天正長大判の金品位や量目についてですが、他の種類の天正大判と同じですが、枚数は約5万5000枚ほどが作られたといわれています。
「大仏大判金」の買取価格と価値・概要

大仏大判金は実は秀吉ではなく、秀吉の息子にあたる秀頼が作らせた大判だとされていて、京都の方広寺大仏殿の再建費用に当てるために鋳造した大判金だから「大仏大判金」と呼ばれています。
ですが、京都の方広寺大仏殿の再建は、当時の家康が豊臣家の財産を消費させることを目的として指示したものだとされており、家康の目論みどおり大阪城に蓄えられていた7400キロあまりの金が大仏大判金を作るために消費されました。
その方広寺の鐘に刻印された銘の「国家安康」が家康の名前を両断しているとして、大阪冬の陣のきっかけになったことは有名です。
大仏大判金は、天正長大判に比べると縦の長さが短く、角ばった楕円形となっています。
表面の「拾両 後藤」の墨書、上下左右に大き目の丸枠桐紋が刻印され、裏面にも刻印や墨書があります。
品位や量目は他の種類の天正大判と同等ですが、鋳造枚数は約4万枚と実は「天正菱大判金」と同程度なのです
しかし、大仏大判金の現存数は3種類の天正大判の中では現存数が最も多くなっているので、買取相場は最も低くなっています。
ただし、現存数が多いとはいえ買取価格は非常に高額で、一枚あたり500万円以上の買取価格は十分に期待できるプレミア古銭です。
墨書が鮮明に残っており、状態のよい大仏大判であれば、買取相場は一枚で1000万円以上も期待できるほどですよ。
天正長大判金の共通概要と買取相場まとめ

天正長大判金の買取相場一覧
-
大判の種類上品中品下品
-
天正長大判金上品2500万円~3500万円中品1500万円~2500万円下品1000万円~1500万円
-
天正長大判金上品2500万円~3500万円中品1500万円~2500万円下品1000万円~1500万円
-
大仏大判金上品1000万円~1500万円中品750万円~1000万円下品500万円~750万円
動画にまとめていただきました!
天正大判の買取相場や概要について当サイトも参考にし、動画を作成いただきましたのでここでも紹介させていただきます。
大判ページの一覧
当サイトで解説している大判の一覧は次の通りです。(※小判リンクをクリックするとページ移動します)
発行年度順:大判一覧リスト
古銭の買取価値を簡単かつ正確に知る方法

このページで説明したのは、あくまでも「古銭の目安の価値と買い取り相場」ですので、先に古銭の買取価格を正確に知る方法をご紹介します。
それは、古銭買取業者にメール査定を依頼する事です。
古銭は写真があればほぼ確実な査定が可能ですので、買取業者の問い合わせフォームから写真を添付して送ることで、簡単に買取価値が明らかになります。
そして、古銭は種類だけではなく、その状態によっても買取価値が大きく変動します。
実物を見てもらえるメール査定は状態も考慮した古銭の正確な価値を知る為に、この上ない程の最善の方法です!
特に、価値の高い古銭をお持ちであれば、こちらのメール査定にて正確な査定をしてもらう事をおすすめします。そして、メール査定であれば買取は簡単に断れますのでご安心ください。
古銭をメール査定してもらう方法やおすすめの古銭買取業者は、こちらを参考にしてください