「元禄大判」の買取相場や価値・詳細、おすすめ古銭買取業者とは？

元禄大判とは、元禄時代に行われた「吹き替え（改鋳）」に伴って鋳造された大判です。一世代前に使われていた「慶長大判」が吹き替えによって溶かされ、「元禄大判」が誕生しました。

江戸時代には「経済の活性化」や「摩耗した貨幣のメンテナンス」、「財政の赤字を補填するため」などの理由で大判や小判などの貨幣を一度溶かして作り替えるという「吹き替え」が行われていました。

そのとき作られていた大判・小判などを一度集めて全て溶かしてしまい、使われている金の純度を下げて再発行することで、沢山の大判小判を量産することが可能になったのでした。

そのため、江戸時代では何度も吹き替えが行われていて、元禄大判は最初の吹替えの際に作り替えられた大判として誕生しました。

元禄大判の発行の際には、従来使われていた慶長大判と比べ、大幅に金品位が下げられました。溶かされる前の「慶長大判」の金品位は672でしたので、150あまりの低下です。

慶長金から元禄金への吹き替え理由は、佐渡金山の衰退や生糸貿易による金の海外への流出、人口増加による通貨の不足、明暦の大火の復興を要因とした財政難を何とかする事が主な目的でした。

結果として大幅な金品位の低下により、かなりの出目（新しい貨幣の金含有率を下げ、余った分を幕府が手に入れること）による財源の確保がありました。

元禄大判はおそよ3万枚鋳造されたとされていますが、品位や質自体が低かったので現存数は非常に少なく、希少性の高い大判なので、質は悪いけど買取相場は非常に高い水準となっています。

ちなみに、元禄大判は慶長大判と比べて金含有率が2割も下がったのに対し、引き換えには1%の増歩しかつけられませんでした。

出目が目的だったので当然と言えば当然ですが、引き換えが一切捗らなかったのでは増歩を20％まで拡大して引き換えをおしすすめたという話があります。

元禄大判は当時の発行数は3万枚程と、決して少なくはない枚数ですが、その後も幾度か大判・小判の吹き替えがあったため、現在残っている数は僅かです。

元禄大判は、その希少性の高さから買取相場も高く、元禄大判一枚あたり1000万円前後の買取価格が期待できます。

もし、墨書が綺麗な状態で残っており、第三者による墨書の書き改め等がなければ、2500万円以上の買取価格も期待できるようになります。

元禄大判はその希少性ゆえ、偽物や贋作、あるいは観賞用の複製品・参考品の元禄大判も多く確認されています。

ですが、偽物の元禄大判でも買取価格が付く可能性があります。もし偽物の元禄大判だった場合の買取は、素材が「金」で出来ているかが重要になってきます。

偽物の元禄大判であっても金で出来ていれば、その金相当の買取相場で買い取ってもらうことが出来ますし、買取査定も買取業者に一括で任せることが出来ます。

そのため、もし真贋が分からず買取価値が不明な元禄大判があれば、本物か偽物か知っておくためにも、一度古銭買取業者などの専門家に相談することをおすすめします。

元禄大判は、慶長大判と同じく、表面には「拾両・後藤」の墨書があり、形状は比較的角ばった楕円で、上下左右には丸枠桐極印がそれぞれ一箇所ずつ打たれています。

元禄大判の墨書は、後藤十代廉乗か十一代通乗が書いたものだと言われています。

元禄大判は、裏面に「元」の年代印が打たれていることが特徴です。大判で、裏面に年代印があるのは元禄大判だけですので、際立った特徴ですね。

年代印の他にも、元禄大判の裏面には「茂・七・九」、「茂・さ・九」、「茂・宇・九」、「茂・山・九」、「茂・坂・九」のいずれかの極印が打たれています。